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改正医療法の施行〜個別事例についての考え方

2018.6.11

カテゴリ:Medical/Social 著者:三谷 恭平




医療法の広告規制について、前回の記事(「改正医療法の施行〜医療機関のウェブサイトが「広告」扱いに。」)の続編となります。

【医療広告規制の「限定解除の条件」とは?】

今回改正で医療機関のウェブサイトは「広告」として再定義され、医療法によって直接的に規制を受けることとなりました。ただし、患者が自ら求めて入手する情報については、「一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除する」こととされています。

ここで、「一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除する」要件についてまとめてみます。
広告可能事項の限定解除要件については、厚生労働省医政局長通知 【医業若しくは歯科又病院診療所に関する広告等に関する指針について】(医政発0508第1号 平成30年5月8日)において定義されています。

    【広告可能事項の限定解除の具体的な要件】

    広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。

    ① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること

    ② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること

    ③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

    ④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

①〜④の要件について解説すると、
①において、限定解除の対象は「ウェブサイト、メルマガ、患者の求めに応じて送付するパンフレット等」が対象として該当しうるものとされています。なお、インターネット上のバナー広告や検索サイト上でのスポンサー広告などは、限定解除の対象外となっています。

②より、問い合わせ先(電話番号、Eメールアドレス等)が記載されているなど、医療機関に容易に照会できることが必要です。

③は特に自由診療について定められています。
自由診療では保険診療とは異なりその内容・費用が医療機関ごとに異なるため、その内容を明確化しトラブルを防止する観点から、

  • 通常必要とされる治療内容
  • 標準的な費用
  • 治療期間及び回数

を掲載し、国民や患者に対して適切かつ十分な情報を分かりやすく提供すること、また標準的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額(発生頻度の高い追加費用を含む。)までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すことが必要です。
また情報掲載にあたっては、リンクを貼った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないことという但し書きが付記されています。

④も自由診療についての定めです。
診療内容については、必ずその主なリスクや副作用などの情報に関して分かりやすく掲載する必要があること。また掲載場所について③と同じくリンク先ページへの掲載、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載するといった形式を採用してはならないとされています。

【個別具体例の検討】

上記を受け、医療機関ウェブサイト上の表現について、弊社としての見解を下記にまとめます。

自院ウェブサイト上での表現について ※赤文字が弊社の見解です。

(1) 治療「効果」の表現(例「9割に効果がありました」など)
NG治療効果はそれぞれの患者の状態によって異なり広告表現としては適さない

(2) 取材・雑誌・などの取材実績の表現
NG「取材を受けました(事実のみ)」もガイドラインの原則に照らすと絶対安全ではない
評価(「トップ10に選ばれた等)を含む表現はNG。
「広告」に求められる客観性に欠けるため

(3) 自院サイト以外の他媒体・他ソースを引用した表現 
① 新聞が特集した治療法の記事を引用するもの
引用OK(改善率等の、広告が認められていない事項が含まれない場合に限る)
② 雑誌や新聞で紹介された旨の記載
NG自院や勤務する医師等が新聞や雑誌等で紹介された旨は、広告可能な事項ではない
③ 専門家の談話を引用するもの
NG専門家の談話は、その内容が保障されたものと著しい誤認を患者等に与えるおそれがある

(4) 医療機器の表現
制限付きでOK(ただし薬機法において承認済みの機器のみ)。
・承認済みであっても表記できるのはメーカー名まで
・機器を特定販売名や形式番号についてはNG
・効果の表記もNG

(5) 自由診療全般の表現
制限付きでOK(薬機法において承認済みの機器のみ)。
公的医療保険が適応されないこと、診療にかかる標準的な費用・治療期間・回数・リスクや考えうる副作用を必ず併記し、記載方法も小さい文字にしたりリンク先だけに掲載するのではなく、わかりやすく記載すること

(6)「ビフォー・アフター」の表現
術前術後の写真のみ掲載はNG
ただし施術についての詳細な説明(治療内容・費用・リスク・副作用の詳しい説明)を加えれば掲載可能

(7)「個人体験談」の表現
例外なくNG

(8)「キャンペーン」の表現
費用を強調した広告や、治療方以外での誘引を強調した広告はNG
① 費用を強調した広告(具体例)
「今なら○円でキャンペーン実施中!」
「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」
「○○100,000円を半額50,000円に!」
「○○治療し放題プラン」

② 提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引(具体例)
「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」

以上が、医療法改正にあたって弊社の考える個別対応となります。
なお、医療法施行後の実際の規制・指導により、上記個別対応の内容についても随時見直しをする可能性があります。引き続き今後の運用状況を注視し、必要情報の収集に努めてまいります。

—————————–

【参考資料】 厚生労働省HP 「医療法における病院等の広告規制について」
・2018年05月08日掲載 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)等について(通知)(医政発0508第1号 平成30年5月8日)」
・2017年07月20日掲載 「医療法等の一部を改正する法律の概要(医療に関する広告規制の見直し)」


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