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そもそもを問う

2019.6.3

カテゴリ:Activities/Design/Management 著者:桑畑 健

考えに考え抜いて、会社の制度を作ったのに実行されない。

一人で考えたならまだしも、みんなで会議で決めたことが実行されない。

決定に至るまでのプロセスもそれほど間違っているとは思えず、、そして会議のときは納得感とやる気が充満しているように見えたのに・・・。

これは、会社の規模や業種にかかわらず、経営者やマネージャーであれば誰もが経験したことはあるのではないでしょうか?

このようなケースで「アメとムチ」を考えるのは一つの選択肢ですが、僕が大切にしているのは「そもそもを問う」ことです。
制度やツールの導入の背景には目的の存在があったはず。その目的を再確認します。
そして、そもそもが満たされればOKです。

これはブランディングだろうが、サイト制作だろうが、集客だろうが、SEO対策だろうが、全てに共通します。
相手との意見が折り合わないときは、「そもそも何の目的でしたっけ?」と問いを挟むことで、会議が一気に進むことは多々あります。

ランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングの台頭。オフショアでの開発。そして近年で言えばAIやロボットの発展は、僕らのような制作会社からすると「脅威」に感じます。
ただ、一方でこれらの仕組みやテクノロジーの発展は、そもそも人の仕事を効率化して生産性を向上させ、暮らしを豊かにするために開発されてきたものです。そして、早かれ遅かれこれらの「流れ」は避けられないものです。
その「流れ」を受け入れ、そもそもの目的に照らし合わせると、そこには「脅威」ではなく、可能性と選択肢が見えてきます。関わり方をデザインすることによって、自分たちの生産性を向上させ、クオリティを向上させる関係性も構築できると考えます。

話は戻り、弊社では数ヶ月前に、プロジェクトマネジメントのために新しいITツールを導入しました。しかし、導入したITツールの運用がうまくいかない中、そのITツールの利用をやめることを決めました。

ここでお伝えしたいのはITツールの導入の是非ではありません。
そのITツールを導入した目的が、月に30以上の案件を見える形にして共有することでしたが、それがそのITツールとは異なる手段で満たされていると判断したからです。

行き詰まったら「そもそもを問う」。
行き詰まらなくても要所要所で「そもそもを問う」。

この思考を習慣化させるだけで個人も組織の生産性も格段に向上すると断言します。

Tekeru Kuwahata

筑波大学 芸術専門学群 視覚伝達デザイン専攻 卒業。
多摩美術大学 情報デザイン 修了。
2008年 Jump Start株式会社設立し代表取締役に就任。
2018年に一般社団法人 日本医療デザインセンターを設立し代表理事に就任。
2020年7月末日でJump Start 株式会社の代表取締役を退任。現在 Jump Start ではクリエイティブディレクターとして活動中。

twitter https://twitter.com/takerutic
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